繊細ハピネス

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銀河鉄道の夜

さっき職場から帰っていて、空を見上げたらオリオン座が。

星々は空の宝石、だなんてよく言われますがそう言われる実感が湧くほど強く瞬いていました。

 

オリオン座の左下には一等星シリウス。その下には子犬座プロキオン

冬の大三角系は、こうもはっきりと見えるものなのですね。携帯には映らなかったのですが、宝石などの自然な反射光特有の、砂粒がキラキラする様な細やかな光は一言には述べ難い美しさがあります。

 

主要な星座がほとんど見える様な星空を見ていたら、銀河鉄道を思い出しました。

カンパネルラの寂しげな笑い方は、星が持つあの消えてしまいそうな光と冬の心寂しい空気を表している様です。

 

銀河鉄道で印象深いのは、何と言っても神々しい十字架。宮沢賢治日蓮宗でしたが、キリスト教にも深い関心を持ち、教会に足繁く通って親交を深めていました。

宮沢賢治が目にしたキリスト教のイメージは、大いなる神の力、神々しく光り輝く十字架として銀河鉄道の夜には示されています。

 

私達は文明の光の中で、下にある、手に取れる美しさを凝視しがちです。高級な宝飾店を見ては、100万円するダイヤは美しいなぁとか、あんなものを身につけてみたいなぁなどと思います。でも空の星は、誰にも手に入れられず、誰にも価値をつけられず、渡すこともできない代物です。

 

私はそれが最上級の美しさだと思うのです。下に手を伸ばさなくても、上を見れば頭上にはいつでも瞬く光が取り巻いています。

 

そんなありがたみを噛み締めながら、家への道を歩いた夜でした。