繊細ハピネス

日々の細やかな幸せを繊細マン達と共有したいブログ

冬のあったかさ

ここ最近は温かい飲み物を飲む機会が増えた。

先週からグッと冷え込んで、身を切るような寒さの中で、温かい飲み物を口にするとなんとも言えず心が落ち着く。

 

学校に行く駅や購買で買うこともあれば、家でゆっくりハーブティーを入れることもある。

 

もう頭からつま先まで、全てのものが冷たい。そんな時に喉に通る温もりは、ただの温度を通り越して、人の温もり、暖かみのある我が家を思い出す。

 

よくよく考えれば、子供の頃は温かいコーヒーや紅茶なんて飲まなかった筈なのに、どこからとも分からないノスタルジーを感じる。

 

それは冬に手袋を買いに行くキツネ*1が、人の子の住む家を見て感じたものと同じ類の、一種の寂しさが混じった温かさなのだろう。

 

皆さんは1月2月、冬の雪が降りつもるような夜に、オレンジ色の人の家の明かりと、そこから僅かに聞こえる楽しそうな笑い声を聞いて、早く暖かい我が家に帰りたいと思ったことは無いだろうか。

家に帰れば待ってくれている家族がいるのに、寂しくて、ちょっとだけ胸がキュッとなるあの時の気持ち。

私は温かい飲み物を飲むと、その時の欠片のような少しの寂しさを思い出す。

 

家には家の温かさがあるのだ。一人暮らしをしていても、家に帰って一息つく瞬間はある。それでも、実家にいる母親に電話を掛けてみようと思えた日だった。

 

*1「手袋を買いに」新美南吉